六本木・ノーマン・フォスター展 ― 2016/02/17 11:28
先週の夕方、
打ち合わせの帰りに六本木ヒルズに行き、
ノーマン・フォスター展を見てきました。
バックスミンスター・フラーとノーマン・フォスターの、
共同開発によるエコロジカル住宅。
今、見てもとても面白い。
これは少し懐かしい感じのする、
ルノー配送センターの部分構造模型。
ハイテク建築の始まりでしょうか。
ベルリンの議事堂、ライヒスターク。
手がけ作品が、
ハイテクノロジーエコロジカル建築になってゆきます。
大英博物館グレースコート。
歴史的建物の中にハイテクノロジーエコロジカル建築が挿入されて、
新し空間が生み出されている。
ベルリン自由大学フィオロジカル図書館。
まるで生物の脳構造が生成されてゆくような空間構成。
香港に香港上海銀行を見に行ったり、
センチュリータワーを工事中に見学したりしました。
そのころから四半世紀ほど経ちましたが、
その間のノーマン・フォスターとパートナーたちの手がけた、
膨大な建築とその設計の深い密度に、
ただただ驚くばかりでした。
とても面白く良い展覧会でしたが、
膨大で密度の濃い内容に、
圧倒されました。
展覧会場のから外を眺めると、
こんな東京の夜景が広がっていました。
(by ダンナ)
鎌倉近代美術館 ― 2016/01/29 17:35
1月いっぱいで閉館してしまう、
鎌倉近代美術館に、
お別れの挨拶に行ってきました。
鎌倉近代美術館に、
お別れの挨拶に行ってきました。
池を含めた周囲の景観を、足下のピロティの中に取り込んで、
快適な半屋外空間を生み出している。
屋外、半屋外、屋内が連続的有機的に絡み合い、
見て歩いていると屋内と屋外の意識が融け合ってゆく。
池の反射が天井に揺らぐ光を映し出している。
ピロティしたの屋外の彫刻展示にも日差しが効果的に差し込み、
天井の池の水面反射の揺らぎの光と重なり合って、
印象的な空間に成っている。
戦後の物と掛けられるコストの無い時代に建てられた、
美術館ですが、
高価な材料を使わなくても、
凝ったディテールを駆使しなくても、
確かな空間の構成と、美しいプロポーションだけで、
素晴らしい建築が生まれる事を、
教えてくれる。
こうしたちょっとした水飲みの丁寧なデザインも空間もいい。
ピロティの上に浮かぶマッシブな白い箱と言う、
正にコルビジェ的構成が、
水辺の環境を取り込んで実に決まっている。
こんなにシンプルで美しいモダニズム建築はなかなか無い。
今までも、何度も来ているけれども、
最後に来れて本当に良かった。
この本館は、保存される事は決まっているようですが、
どのように使われるかは、不明なため、
また、来館出来るような使われ方になるのかも不明です。
なのでひとまずはお別れです。
さようなら、鎌倉近代美術館。
CLTパネル・静岡・富士山 ― 2016/01/15 18:02
今、富士山のお膝元の富士市で進んでいる、
現場に、建て方の立ち会いの出張をしてきました。
現場からは富士山がとてもよく見えます。
現場に、建て方の立ち会いの出張をしてきました。
現場からは富士山がとてもよく見えます。
(暖冬のせいか、今の時期にしては随分と雪の少ない夏の姿のような富士山)
CLTパネルの落とし込み構法という、
実験開発的な構法で、
破壊実験などの実証実験によってデータを取りながら、
実現化させている現場です。
内外装ともにCLTパネルの表し仕上げです。
高温乾燥材で出来ているCLTパネルですが、
これだけ大量にあると良い香りがします。
CLTパネルになにやら文字が書いてあります。
拡大するとこんな文字になります。
実はこの文字が書いてあるCLTパネルは、
昨年の9月に行った実証実験に使ったCLTパネルを、
もったいないので再利用している物なのです。
(9月に富山で行った実物大、破壊実証実験の様子)
荷重を掛けて変形させた破壊実証実験でも、
柱と梁の接合部が先に破断するため(そのように設計しているため)
実験に使ったCLTパネル自体は、
全く損傷していないのです。
もったいないので再利用しました。
文字は試験体番号です。
落とし込み構法という日本古来の伝統的な構法と、
CLTパネルという最新の材料を組み合わせる事により、
今までにない古くて新しい成り立ちの建築が、
出来上がると思います。
今から竣工が楽しみです。
帰りは、夕暮れに染まった富士山が見送って暮れました。
(by ダンナ)
(by ダンナ)
震災支援・神楽殿・仮組 ― 2015/04/14 11:45
先日、震災支援の一環として、
今年の連休に石巻の十三浜に送る、
神楽殿の仮組の建て方を、
日本工学院八王子専門学校の学生さんたちに手伝ってもらって、
行いました。
いろいろな浜に(十三浜というぐらいですから)、
持ち運んで神楽の時期に組み立て、
終われば解体してしまっておく、
組み立ても分解も可能な神楽の舞台です。
組み立てるのも、必ずしも大工さんが行う訳ではないので、
学生さんたちでどのぐらい組み立てられるか、
試してみる意味もありました。
もちろん今回は刻んだ大工さんが付きっきりで建て方を行いました。
今年の連休に石巻の十三浜に送る、
神楽殿の仮組の建て方を、
日本工学院八王子専門学校の学生さんたちに手伝ってもらって、
行いました。
いろいろな浜に(十三浜というぐらいですから)、
持ち運んで神楽の時期に組み立て、
終われば解体してしまっておく、
組み立ても分解も可能な神楽の舞台です。
組み立てるのも、必ずしも大工さんが行う訳ではないので、
学生さんたちでどのぐらい組み立てられるか、
試してみる意味もありました。
もちろん今回は刻んだ大工さんが付きっきりで建て方を行いました。
総檜造りで、本格的な仕口と継ぎ手の伝統工法による、
神楽の舞台です。
神楽の舞台です。
伝統的な追かけ大栓継ぎ。
この継ぎ手を見ると、
日本の伝統的な大工の技術の高さを感じます。
土台の地組。
耐震要素となる貫の入れ込み。
精度の高い複雑な仕口。
見るとほれぼれします。
見るとほれぼれします。
これも複雑で精度の高い継ぎ手。
これは金輪継ぎ。
見事です。
これは金輪継ぎ。
見事です。
組んでしまえば、何処に継ぎ手があるか判らなくなるぐらいの、
精度で、まるで吸い付くように組み合わされます。
舞台組です。
光り輝くような真っ白な檜の舞台。
見事な無節の檜舞台です。
貫を入れ、渡り顎の桁と梁で押さえます。
全部の部材が組み上がりました。
釘を一本も使わずに組み上がりました。
これならばらしても、同じようにまた組めます。
改めて先人の知恵と伝統工法の素晴らしさを感じました。
関係者皆が、満足そうに見上げてます。
震災の支援も、最初は当面の生活物資の支援。
一昨年や昨年は、生活再建のための産業の役に立つように、
牡蠣やワカメの加工につかう作業台と、
海水に濡れても大丈夫なように木だけで出来た椅子100脚の支援。
そして今年は、神楽舞台という文化面での支援になりました。
まだまだ仮設住宅暮らしが続いていて、
とても順調にとは言えないと思いますが、
徐々にではありますが、
生活、産業、文化、と支援する場面が変わっているのは、
少しづつでも、復興が進んでいるのだと思います。
でもまだまだ道のり永く簡単ではありません。
これからも僅かですができる支援を続けたいと思います。
(by ダンナ)
東京駅・雨 ― 2014/12/16 16:58
所用があり、
もう間もなく開業100周年を迎える東京駅を訪れる。
冷たい雨に濡れる東京駅。
東京駅の空中権を利用することで建っている、
ガラス張りの超高層ビルと、
100年前の鉄骨煉瓦造を復原した建物が、
まるで対比を生み出すかのように建っている。
(by ダンナ)
カプセル ― 2014/08/05 17:25
武蔵五日市・水の木陰・火の木陰 ― 2014/04/07 15:27
ビア・ホール ― 2013/12/02 18:47
秋野不矩美術館 ― 2013/08/26 17:48
先日、帰省した帰りに前から行ってみたいと思っていた、
藤森照信設計の、
秋野不矩美術館に寄りました。
浜松市天竜区二俣町まで、
暑かったけれど晴れていて気持ちの良い、
ちょっとした寄り道ドライブでした。
駐車場から丘の上に向かって歩いて行くと、
砦のような雰囲気の独特な外観が見えてきます。
藤森照信設計の、
秋野不矩美術館に寄りました。
浜松市天竜区二俣町まで、
暑かったけれど晴れていて気持ちの良い、
ちょっとした寄り道ドライブでした。
駐車場から丘の上に向かって歩いて行くと、
砦のような雰囲気の独特な外観が見えてきます。
丘の中腹からは、こんな感じに見えます。
やはり砦のような印象です。
やはり砦のような印象です。
正面からの全景。
四角錐と直方体が貫入し合う、
建築の骨格としては、意外にモダンな構成。
モダンな構成の骨格の上に、
石葺きの屋根、板張りの壁、
粗い表情の土壁などで被服し、
土壁に穿たれた九つ割の窓や、
付き出した大仰な木製ガーゴイルなどで装飾し、
土着的な雰囲気を醸し出しています。
近代的幾何学的構成とバナキュラーな素材の表現が絡み合って、
モダンとも土着的とも言えない、
簡単にカテゴライズされることを拒否したような表現の建築になっています。
内部もモダンな印象を排したバナキュラーな感覚の空間。
モダンな打ち放しコンクリートの壁を突き抜けて行くような、
土塗りの階段。
ここでも、近代と土着が絡み合っています。
展示されている秋野不矩の、
生命力に溢れたインドの情景の絵画に、
とても相応しい空間に成っていました。
ほんの小旅行でしたが、
とても良い空間と絵画を、
楽しみました。
(by ダンナ)
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