蕪 ― 2010/03/08 15:44
ニンジン ― 2010/03/08 15:55
タツノオトシゴ ― 2010/03/17 17:08
悲しい結末 ― 2010/03/24 16:03
虚白庵 ― 2010/03/31 18:16
中庭
白井晟一の自邸「虚白庵」が取り壊されることになり、先日、最後の姿の見学会が行われました。
伝説の住宅なので、是非見たい思い、見学会に参加しました。
個人的な好みは別にして、ある時代の雰囲気とと建築に込めた情念のようなものを、強烈に感じさせる住宅でした。
白井晟一の自邸「虚白庵」が取り壊されることになり、先日、最後の姿の見学会が行われました。
伝説の住宅なので、是非見たい思い、見学会に参加しました。
個人的な好みは別にして、ある時代の雰囲気とと建築に込めた情念のようなものを、強烈に感じさせる住宅でした。
内部は噂通りの、開口部が絞り込まれた薄暗い空間。壁も天井も基本的には闇色とでも呼びたくなるような、地の木の朱色が透けて浮かび上がるような黒色の塗装。床のカーペットや壁の天井の一部分が深紅です。おそらくこの住宅が使われていた頃は、中庭だけが無彩色の白色。L型の闇色の空間に囲まれた白い中庭。建築として機能する実の部分を闇色に塗り込め、なんの機能も持たない虚の部分である白い中庭を、最も大切な空間として浮かび上がらせる為の、庵。虚白庵。まるで作者である白井晟一が建築にとって何が一番大切だと思っているかを語っているような空間でした。
多列型の引き込み戸。生活感のするもの、白井晟一の基準で不純物と感じられる物はすべて壁の中に引き込まれ隠されてしまいます。当然設備的な物も徹底的に隠されます。白井晟一好みの物だけが、闇色の空間に存在することを許されているかのようです。
白井晟一の建築は金物が美しい。気合いと執念が籠もっています。
たくさんの見学者が雨の中で待っていました。少し特徴的だったのは見学者の平均年齢がかなり高そうな事でした。僕でも若い部類だったような気がします。今の建築学科の学生とか若い設計者は、あまり白井晟一の建築に興味が無いのかもしれません。時代の流れを感じました。見学者はとても熱心に見ていました。見学者は白井晟一という神殿の参拝者のようにも感じられました。個人的な好みとは全く合っていないのですが、僕もその中の一人だったわけです。
(byダンナ)
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